2012年03月07日
山小屋の鏡!…

ディアゴスティーニ第四話!…
わたしの知り合いの話しです…
もう30年近く前の話しですが…
東京近郊のその山小屋は現在も営業してますので、敢えて地名は伏せておきます!…
山に登るときに、鏡!って持参しますか?!…
なくても不便は感じませんが、緊急時に自分の位置を相手に太陽光等の反射で知らせる事が出来る重要なアイテムなんですよね!…
わたしは、色々と訳あって…
ベッドライトと鏡は持ち歩かなくなりました!…
その山小屋の部屋は屋根裏のようで、窓もなく…常に湿ってるような部屋でした!…
八畳間で混んでる時は八人詰め込まれました!…
板の間でゴザが敷いてあり、部屋の隅に押し入れがあり…
湿った布団が入っており、勝手に煎餅布団を敷いて寝たものでした!…
寒い夜は湿った布団を何枚も掛けて寝ましたが、異常に重くて…
まるで誰かが覆い被さってるような重さでした!…
何もない部屋でしたが…
入り口の引き戸の横に壁に埋め込んだ姿見の鏡がありました!…
山に入るとなかなか自分の全体像は見れないものですので…
こんな格好で登ってるんだ!…と、自分を映してたりしてました!…
その日は沢をやり、詰めのガレ場で手こずって…疲れはてて山小屋に入りました!…
簡単に飯を済ませ…
疲れはてた身体を湿った布団に横たえました!…
その晩のその部屋の相部屋はわたしの他に二人でした!…
部屋にはランプが下がっており、ランプの灯りの下で二人はノートに何か書き込んでいたり、翌日の準備をしたりしておりましたが、わたしが早目に布団に潜り込んだため、気を使って早目にランプを消して就寝に就いてくれました!…
二人より早く布団に入ったのに、疲れのためか…なかなか眠れず…
そのうち二人の寝息が聴こえてきました!…
わたしは二人の寝息を子守唄にして…いつの間にか眠りにつきました!…
深夜1時過ぎに(布団の中で懐中電灯で腕時計で確認しました)トイレに行きたくなり、目が覚めてしまいました!…
真っ暗な中、しばらく我慢してましたが…
このまま寝たら、また起きてしまうと思い…
意を決して山小屋の外にあるトイレに行く事にしました!…
二人の寝息は規則正しく聴こえてました!…
起こさないように布団から起きました!…
部屋を出る寸前に引き戸の横にある鏡に自分が映りました!…
何気なく見たら、カッターシャツの襟が内側に折り曲がってるのが見えたので襟を直し部屋を出て、最小に絞ってあるランプの薄暗い階段を降りて、小屋の外にあるトイレに行きました!…
寒い時期なのに、肌にまとわり付くような空気と数メートル先も見えないくらいの霧の中!…
懐中電灯を持ってない事に気付き…
トイレまで行くのを諦め、小屋の脇で用を足して部屋に戻りました!…
相部屋の二人を起こさないように、静かに引き戸を開け…
引き戸を閉めた瞬間…
窓もない屋根裏部屋!…
いきなり鼻を摘ままれてもわからないくらいの漆黒の部屋!…
懐中電灯も持たないままトイレに行きました!…
目が覚めて、この部屋を出る時に鏡に映ったわたしは…
真っ暗な部屋で鏡は暗黒しか映しません!…
自分の姿を見て、襟を直したのは現実でした!…
漆黒の部屋で映るはずのない鏡…
わたしは…
しばらくその山小屋から足が遠退きましたが…
数ヶ月後、泊まる機会がありまして…
その日も屋根裏部屋に泊まりましたが…
引き戸の横には…
姿見の鏡が埋まってたあとが残ってました!…
何故か、鏡は取り外されておりました!…
一体、彼は何を見たのでしょうか?!…
光が全くない部屋で鏡を見てくださいませ!…
鏡の存在すらわからないのがわかりますよ!…
さらに気が向けば鏡の話しは続くかと!…(笑)